第4巻546番歌はこちらにまとめました。
第4巻 546番歌
巻 | 第4巻 |
歌番号 | 546番歌 |
作者 | 笠金村 |
題詞 | 二年乙丑春三月幸三香原離宮之時得娘子<作歌>一首[并短歌] <笠朝臣金村> |
原文 | 三香<乃>原 客之屋取尓 珠桙乃 道能去相尓 天雲之 外耳見管 言将問 縁乃無者 情耳 咽乍有尓 天地 神祇辞因而 敷細乃 衣手易而 自妻跡 憑有今夜 秋夜之 百夜乃長 有与宿鴨 |
訓読 | 三香の原 旅の宿りに 玉桙の 道の行き逢ひに 天雲の 外のみ見つつ 言問はむ よしのなければ 心のみ 咽せつつあるに 天地の 神言寄せて 敷栲の 衣手交へて 己妻と 頼める今夜 秋の夜の 百夜の長さ ありこせぬかも |
かな | みかのはら たびのやどりに たまほこの みちのゆきあひに あまくもの よそのみみつつ こととはむ よしのなければ こころのみ むせつつあるに あめつちの かみことよせて しきたへの ころもでかへて おのづまと たのめるこよひ あきのよの ももよのながさ ありこせぬかも |
英語(ローマ字) | MIKANOHARA TABINOYADORINI TAMAHOKONO MICHINOYUKIAHINI AMAKUMONO YOSONOMIMITSUTSU KOTOTOHAMU YOSHINONAKEREBA KOKORONOMI MUSETSUTSUARUNI AMETSUCHINO KAMIKOTOYOSETE SHIKITAHENO KOROMODEKAHETE ONODUMATO TANOMERUKOYOHI AKINOYONO MOMOYONONAGASA ARIKOSENUKAMO |
訳 | 三香の原、旅寝にあって、行きずりに出逢った乙女、天雲のようによそ目に見ているばかり。声をかけようと思うが、その理由もないので心で愛しく思うばかり。こんな時、天地の神様が仲を取り持って下さって共寝をする手はずになった。私の妻となってくれると思う今宵、この秋の夜が百倍もの長さであってくれないものか。 |
左注 | – |
校異 | 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 / 笠朝臣金村作歌 作歌 [桂][元][紀] / <> 笠朝臣金村 [桂][元][紀] / 之 乃 [桂][元] |
用語 | 相聞、作者:笠金村、行幸、久邇京、京都、地名、枕詞、神亀2年3月、年紀 |